ものづくり補助金

省力化・省人化補助金とものづくり補助金の違いを解説

省力化・省人化補助金とものづくり補助金の違いを解説

2024年の特に注目度が大きい補助金は「省力化・省人化補助金」と「ものづくり補助金」です。
中小企業の課題として労働力不足の問題が挙げられて久しく、喫緊の課題となっていました。
そこで、政府は2024年度は「省力化・省人化補助金」と「ものづくり補助金」という補助金を打ち出し、労働力不足を解決させるための機器などの導入を支援する方向です。
しかしながら、これらの補助金を活用して最適な支援を受けるためには、それぞれの補助金制度の詳細を把握することが不可欠です。
そこで今回は省力化・省人化補助金とものづくり補助金の違いを解説していきます。
本記事を見ることで、省力化・省人化補助金とものづくり補助金のどちらが自社にとって最適な補助金か選択することができるでしょう。

省力化・省人化補助金とは

省人化・省力化補助金は、中小企業や小規模事業者が対象となり、最新技術や機械設備の導入を通じて、労働力不足の解消や作業効率の向上を目指すことを目的としています。
補助対象となるのは、人手不足の状態にあり、一定の付加価値額増加や賃上げを行う計画を持つ中小企業や小規模事業者です。
最大補助金額は1,500万円となっていますが、難しい要件もなく、補助予定件数は約120,000件と非常に多くの事業者が採択予定となっているため、比較的幅広い業種の方が補助対象となることが考えられます。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が新たなものづくりに挑戦する際の経済的な支援を目的としています。
具体的には、新製品の開発、生産性の向上、ビジネスモデルの革新など、幅広い用途に対応しています。
今年度からは省力化という点も一つのテーマとなり、省力化(オーダーメイド枠)が第17次公募から追加されています。
省力化(オーダーメイド枠)枠は最大補助金額が8,000万円と補助金額が大きいのが特徴です。
一方で、小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金などと比較すると、難易度が高く、用意する書類が多いというのが特徴です。

省力化・省人化補助金とものづくり補助金の違い

省力化・省人化補助金とものづくり補助金(省力化(オーダーメイド枠))は同じように「省力化・省人化」ということをテーマとした補助金です。
そのため、一見すると似たような補助金と思われるかもしれませんが、中身はまったく異なります。
省力化・省人化補助金とものづくり補助金の主な違いは下記の通り。

  • 補助金額の大きさ
  • 補助率
  • 要件
  • 採択率
  • 難易度

具体的に解説していきます。

補助金額の大きさ

省力化・省人化補助金では、最大補助金額が1,500万円と設定されており、これは中小企業や小規模事業者が導入する機械やシステムの初期投資をカバーするのに十分な額です。
一方で、ものづくり補助金の省力化(オーダーメイド枠)では、最大補助金額が8,000万円と大がかりな設備投資や研究開発プロジェクトにも対応可能です。
この大きな差は、ものづくり補助金がより大規模なイノベーションや事業拡大を目指す企業に向けた支援であることを示しています。

補助率

省力化・省人化補助金の補助率は1/2です。
ものづくり補助金の補助率も原則は1/2となっていますが、例外的として再生事業者と呼ばれる事業者は2/3となります。

要件

省力化・省人化補助金の要件は下記の通り。

  1. 人手不足の証明:人手不足に直面している中小企業や小規模事業者は、その状況を客観的に示す証憑を提出するか、人手不足が経営上の課題であると申告する必要があります。
  2. 付加価値額の増加:補助事業終了後1~3年以内に、従業員一人当たりの付加価値額が年平均3%以上増加する事業計画を策定することが求められます。
  3. 賃金引上げ計画の表明:賃上げによる補助上限の変更を利用する場合は、申請時に従業員に対して賃金引上げ計画を表明する必要があります。表明がなされていないことが判明した場合は、補助金の増額分を返還しなければなりません。

ものづくり補助金(省人化オーダーメイド枠)の要件は下記のとおり。

  1. 給与支給総額の増加:全従業員及び役員に支払った給与等の総額を、事業計画期間内に年平均成長率1.5%以上増加させること(被用者保険の任意適用を行う中小企業は1%以上)
  2. 最低賃金の引き上げ:事業場内の最低賃金を、毎年、地域別最低賃金+30円以上にすること
  3. 付加価値額の増加:事業者全体の付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を、年平均成長率3%以上増加させること
  4. 賃金引上げ計画の策定:申請時に賃金引上げ計画を策定していることが必要であり、策定していないことが後に判明した場合は、補助金の返還を求められます
  5. 労働生産性の向上:3~5年以内に設備投資により労働生産性を2倍以上に。
  6. 投資回収の実現:投資額が3~5年で回収可能な事業計画を策定。
  7. 保守・メンテナンス契約:外部SIer使用時は、中小企業とSIer間で保守・メンテナンス契約を締結。
  8. 資金調達の確認:金融機関からの資金調達予定がある場合、事業計画の確認と確認書の提出が必要。

省力化・省人化補助金はシンプルな要件であるのに対して、ものづくり補助金(省人化オーダーメイド枠)は非常に多くの要件があります。

採択率

省力化・省人化補助金は、補助予定件数が約120,000件と非常に多く、比較的申請が通りやすい設計になることが予想されています。
そのため、採択率が高くなることが予想されます。
一方、ものづくり補助金は、補助金額が大きい分、審査が厳しく、採択率は低めになる傾向があります
特に省力化(オーダーメイド枠)は補助上限金額が最大8,000万円と大型の補助金となっており、より厳しい審査になる可能性が高いです。
同じく補助金額が高かった事業再構築補助金が様々な指摘を受けている点も踏まえると、省力化(オーダーメイド枠)は採択率が低くなることが予想されます。

難易度

省力化・省人化補助金の申請は、比較的シンプルとなっており、中小企業や小規模事業者でも取り組みやすい補助金設計となっています。

必要な書類の数も少なく、申請のハードルは低めです。しかし、ものづくり補助金(省力化(オーダーメイド枠))の場合、補助金額が大きい分、提出が求められる書類も多く、申請プロセスも複雑です。事業計画の詳細な説明や将来性の証明など、より高いレベルの準備が必要とされます。

まとめ

今回は「省力化・省人化補助金」と「ものづくり補助金」について解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。

  • 省力化・省人化補助金は中小企業や小規模事業者を対象に、労働力不足の解消や作業効率の向上を目的とした補助金で、最大補助金額は1,500万円であり、比較的申請がしやすい設計になっています。
  • ものづくり補助金(省力化(オーダーメイド枠))は新製品開発やビジネスモデルの革新など、より大規模な事業のイノベーションを支援する目的で、最大補助金額は8,000万円となっており、申請の難易度が高いです。

 

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