ものづくり補助金

ものづくり補助金の従業員数の定義は?役員、アルバイト、派遣社員はどうなる?

ものづくり補助金の従業員数の定義は?役員、アルバイト、派遣社員はどうなる?

ものづくり補助金が従業員数に応じて、補助上限金額が変わる傾向になってきました。
このような場合

  • 従業員というのはどういう定義?
  • 役員は従業員数に含まれるの?
  • アルバイト、パート、日雇い従業員はどうなる?

という点は疑問に思うところですよね。
そこで今回はものづくり補助金における従業員の定義について解説していきます。
従業員数は補助金額の上限が変わる重要な要素です。
本記事で定義をしっかり理解をしてから、申請しましょう。

ものづくり補助金における従業員の定義とは?

ものづくり補助金における従業員は下記の通り、定義されています。

常勤従業員は、中小企業基本法上の「常時使用する従業員」をいい、労働基準法第 20 条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」と解されます。これには、日々雇い入れられる者、2 か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に 4 か月以内の期間を定めて使用される者、試みの使用期間中の者は含まれません。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(12次締切分) P5

中小企業基本法上の「常時使用する従業員」が従業員の定義となります。
また、労働基準法第20条の規定は下記の通り。

労働基準法(昭和22年法律第49号)
(解雇の予告)
第20条   使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
2  前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
3  前条第2項の規定は、第1項但書の場合にこれを準用する。

第21条   前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。
但し、第1号に該当する者が1箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第2号若しくは第3号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。
一  日日雇い入れられる者
二  2箇月以内の期間を定めて使用される者
三  季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用される者
四  試の使用期間中の者

この要件を元に従業員に含まれるケースと含まれないケースを解説していきます。

従業員に含まれるケース

従業員に含まれるケースは下記の通りです。

  • 正社員
  • アルバイト、パート
  • 契約社員

具体的に解説していきます。

正社員

正社員はもちろん従業員数に含まれます。
しかしながら、雇用してから14日以内の試用期間の場合、解雇予告を必要としないため、従業員の対象にはなりません。

アルバイト、パート

アルバイト、パートも原則従業員として、カウントされます。
しかしながら、2か月以内の期間を定められて雇用している場合または季節的業務に4か月位以内の期間を定められて雇用されている場合は、従業員としてカウントされません。
最初は上記の期間を予定していたが、予定より長引き期間を超えてしまった場合は、従業員としてカウントされます。

契約社員

契約社員も原則従業員としてカウントされます。
しかしながら、アルバイト、パートと同じく2か月以内の期間を定められて雇用している場合または季節的業務に4か月位以内の期間を定められて雇用されている場合は、従業員としてカウントされません。
最初は上記の期間を予定していたが、予定より長引き期間を超えてしまった場合は、従業員としてカウントされます。

出向社員

自社が他社に出向社員を送り出している場合は、従業員としてカウントされます。
自社に他社から出向社員が来ている場合は、従業員としてカウントされません。

従業員に含まれないケース

従業員に含まれないケースは下記の通りです。

  • 役員
  • 日雇い労働者

役員

役員は労働者に含まれません。
労働基準法上での「労働者」に値しないためです。

日雇い労働者

日雇い労働者は労働者に含まれません。
労働基準法107条では、「日々雇入れられる者を除く。」という旨の記載があるためです。
しかしながら、1か月を超えて雇用した場合は従業員としてカウントされます。

 

一人社長の場合はどうなる?

社長一人の会社で従業員がいないという一人社長の場合でもものづくり補助金の補助の対象となります。
ものづくり補助金の要件に最低従業員という定義はないためです。
同様に役員のみで構成されている場合でも、ものづくり補助金の対象となります。

従業員はいつの時点を基準とする?

従業員数の算定は公募開始日となっています。
公募開始日以降に増員しても、従業員数が増えてカウントされるわけではありませんので、注意しましょう。

意図的な従業員の増減は補助対象外になることも

注意していただきたいのは意図的な従業員の増減は補助対象外になることがあるということです。
つまり、ものづくり補助金の公募前にアルバイト、パートを増やして補助上限金額を増やし、採択された後に解雇するというケースです。
このような場合、ものづくり補助金の対象外になることがある旨、公募要領に下記の通り記載されています。

補助対象者の要件は、本事業の公募開始日において満たしている必要があります。また、事業実施期間に限って、資本金の減資や従業員数の削減を行い、事業実施期間終了後に、再度、資本金の増資や従業員数の増員を行うなど、専ら本事業の対象事業者となることを目的として、資本金、従業員数、株式保有割合等を変更していると認められた場合には、申請時点にさかのぼって本事業の補助の対象外となる場合があります。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(12次締切分) P14

本事業の対象事業者となることを目的とした従業員数の増減は補助の対象外となるということですね。
意図的な従業員数の変更は絶対にやめてください。

まとめ

今回はものづくり補助金の従業員の定義について解説してきました。
ポイントをまとめますと下記の通り。

  • 従業員の定義は解雇予告を事前に必要とする従業員
  • 原則、正社員・アルバイト・パート・契約社員が対象
  • 日雇い労働者・役員・短期労働者は対象外
  • ただし、ケースによって異なる
  • 意図的な従業員操作は補助対象外になることも

従業員数は補助上限金額を決める重要な要素です。
必ず申請前に定義をしっかりと把握しておきましょう。

 

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