ものづくり補助金

歯科、クリニックはものづくり補助金の対象!採択事例とポイントを解説

歯科、クリニックはものづくり補助金の対象!採択事例とポイントを解説

ものづくり補助金で意外にも採択事例が多いのが歯科やクリニックです。
製造業以外では非常に多くの採択件数があり、ものづくり補助金で採択されやすい業種といえるでしょう。
しかしながら、どういった事例が具体的に補助の対象となるのか判断に迷われる方もいらっしゃいますよね。
そこで今回は歯科やクリニックでのものづくり補助金採択事例とポイントについて解説していきます。

歯科やクリニックはものづくり補助金の補助対象!

歯科やクリニックはものづくり補助金の補助対象となります。
一見するとものづくりとは関係のない業種ですが、ものづくり補助金での採択件数は多い傾向にあります。
設備投資を行いたい歯科、クリニックの方はものづくり補助金を活用することをおすすめします。

ものづくり補助金の概要は下記の通り。

ものづくり補助金概要(2025年 第19次予定)

基本要件
以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画書の策定及び実行


 ※1付加価値額=営業利益・人件費・減価償却費の合計
 ※2給与支給総額=役員および全従業員に支払った給与等(給料・賃金・諸手当・賞与・役員報酬は含み、福利厚生費・法定福利費・退職金は除く)
 ※3事業所内最低賃金=補助事業の実施場所(設備を設置する工場等)で働く正社員の中の最低賃金(時給)

※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①、②、④のみとする。

※3~5年の事業計画に基づき事業を実施し、毎年、事業化状況報告を事務局へ提出する必要があります(事業成果確認のため)。
※基本要件等が未達の場合、補助金返還義務があります。

支援内容
補助対象①<製品・サービス高付加価値化枠>革新的な新製品・新サービスの開発による高付価値化
②<グローバル枠> 海外事業の実施による国内の生産性向上
対象業種– 製造業
– 建設業
– 情報通信業
– サービス業 など広範囲
補助上限額最大 4,000万円 ※大幅賃上げ特例あり。詳細は次の章にて。
補助率中小企業:1/2、小規模事業者:2/3、再生事業者(①枠のみ):2/3       ※最低賃金引上げ特例あり。詳細は次の章にて。
その他収益納付はもとめない
補助対象経費<共通>機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
<グローバル枠のみ>海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費
公募回数年4回程度(予定)

中小企業庁 令和6年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の概要

具体的にどのような事業計画が対象となるのか確認していきましょう。

歯科やクリニックによる採択事例

歯科やクリニックによる代表的なものづくり補助金採択事例は下記の通り。

  • 先進的な機器導入による生産性向上
  • CAD/CAM
  • デジタル技術の活用
  • 業務プロセス改善による生産性向上

具体的に解説していきます。

先進的な機器導入による生産性向上

代表的な採択事例として先端的な機器を導入し、生産性を向上させるという事例があります。
設備投資の支援が主であるものづくり補助金において、最もシンプルな事業計画といえるでしょう。
先端的な機器導入による主な採択事例は下記の通り。

  • 先進機器を用いて今後とも地域に密着した歯科医院としてあり続けるために
  • 立体的画像診断の導入による歯周外科治療および顎関節治療の強化
  • 地方での高度歯科治療提供の為の口腔内撮影スコープ等設備の導入
  • マイクロスコープ及びミリングマシン導入による歯を最大限残した治療の実現
  • 画期的な医療機器導入により実現する、当院ならではの矯正治療

最先端CTやマイクロスコープなどが主な導入事例です。
画期的な事業計画がなくても、先端的な設備を導入して治療に活用するだけで補助の対象となることもあります。

CAD/CAM

近年保険適用の範囲が広がっているCAD/CAMに関する設備導入での採択事例もありました
CAD/CAMは白い歯のかぶせモノです。
以前は保険適用外だったものの、近年では保険適用の範囲が広がっており、今後の需要が期待できる分野です。
代表的な採択事例は下記の通り。

  • 歯科技工におけるCAD/CAM冠等の製作の高精度化と生産性向上
  • CADCAM導入による高付加価値な歯科技工物提供と生産性向上
  • 最先端CAD/CAM設備導入による補綴治療プロセスの効率化と患者の負担軽減。

デジタル技術の活用

デジタル技術を活用する事業での採択事例も多数ありました。
代表的な事例は下記の通り。

  • デジタル機器の導入による歯科技工物の革新的な生産体制の新構築
  • 難治療実施と「LINE」予約システムの構築による次世代型医院の実現
  • 歯科補綴物製作における最新デジタル機器による感染予防対策と原材料の転換
  • 口腔内スキャナによる低侵襲治療のプロセス改善およびDX化
  • 院内DX化を通じた訪問治療、予防治療の拡充
  • AI技術を用いた次世代型歯科治療によるワークライフバランスの充実
  • アスリート向け咬合治療のノウハウを活かしたデジタル歯科治療
  • デジタルデータの活用による全顎的な咬合再構成治療の高度化

治療にデジタル技術を活かすという事例はもちろんのこと、予約システム構築などによる業務プロセスの改善、院内のdx化といった採択事例も目立ちました。
デジタル技術を活用したい場合、通常枠ではなくデジタル枠を活用しても良いかと思います。

インプラント

インプラント治療に関する設備導入に関しても多数の採択事例がありました。
代表的な採択事例は下記の通り。

  • 歯科用CTを活用したインプラント治療と高度歯科治療への対応
  • 歯科用CT導入によるインプラント治療プロセスの効率化と患者の負担軽減
  • インプラント治療のさらなる高度化・効率化と予防歯科の向上
  • 歯性上顎洞炎、埋伏歯抜歯やインプラント治療の診断精度の向上

歯科インプラントは今後も堅調に成長していくと予想されています。
ものづくり補助金で関連設備を導入して、事業の幅を広げていく・質を高めていくということも検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は歯科、クリニックのものづくり補助金での採択事例とポイントについて解説してきました。
ポイントは下記の通り。

  • ものづくり補助金は歯科やクリニックも補助対象
  • 採択件数が多いため、歯科、クリニックにとっては大きなチャンス
  • 「先進的な機器導入による生産性向上」「CAD/CAM」「デジタル技術の活用」「業務プロセス改善による生産性向上」が代表的な採択事例

 

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