ものづくり補助金

ものづくり補助金で必要な労働者名簿を解説。役員はどうなる?

ものづくり補助金で必要な労働者名簿を解説。役員はどうなる?

ものづくり補助金の必須の書類の一つである労働者名簿。
通常枠と特別枠の補助上限金額を決める重要な書類で、ほとんどのケースで提出義務があります。
しかしながら、不備が多い書類の一つとなっており、労働者名簿のミスで申請が通過しなかったというケースも少なくありません。
そこで今回は労働者名簿の概要と対象者、作成するときのポイントを解説していきます。

ものづくり補助金の労働者名簿とは?書くべき事項を解説

労働者名簿とはものづくり補助金の事業計画書の最後のページにある自社の労働者の名簿となります。
具体的には下記の通り。

労働者名簿には下記の事項を記載する必要があります。

  • 事業者名
  • 従業員の氏名
  • 従業員の生年月日
  • 従業員の雇入れ年月日
  • 従事する業務の種類

労働者名簿の様式は決まっていません。
しかしながら、上記の事項は記入必須となっています。
自社で作成した労働者名簿を提出する場合、必ず上記の事項がしっかり記入されているのかを確認しましょう。

労働者名簿はものづくり補助金でどういった時に必要?

労働者名簿は(応募申請時の従業員数が21名以上で、従業員数の確認資料における期末の従業員数が20名以下の場合のみで必要となります。
つまりほとんどのケースでは不要になるということです
例えば「従業員数が常に20名以上」「従業員が減っていない」「従業員が常に20名以下」といったケースの場合、労働者名簿は不要となります。
一方で、従業員の入れ替わりが激しい事業者は注意しなければなりません
知らぬ間に労働者名簿提出の対象者になっていたという事も。
必ず従業員10名から30名の事業者は自社が労働者名簿の提出の対象者になっていないか確認しておきましょう。

次の章では、労働者名簿における労働者の範囲について解説していきます。

労働者はどこからどこまでが対象?役員は含まれる?

労働者名簿に記入すべき労働者は「中小企業上の常時雇用する従業員」です。
公募要領の中では下記の通り、明記されています。

常勤従業員は、中小企業基本法上の「常時使用する従業員」をいい、労働基準法第20条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」と解されます。これには、日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に 4 か月以内の期間を定めて使用される者、試の使用期間中の者は含まれません。

令和元年度補正・令和3年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
公募要領 (13次締切分) P6

具体的に労働区分別に労働者に当てはまるか見ていきましょう。

役員

役員は労働者に含まれません。
労働基準法上での「労働者」に値しないためです。
誤って記入しやすい区分の一つですので注意しましょう。

パート、アルバイト

パート、アルバイトは労働者に含まれます。
非正規ですが、「事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」に当てはまるためです。
ですので、正社員はほとんどいなくても、パート・アルバイトの数が多ければものづくり補助金の補助上限金額は高くなります。
しかしながら、雇用から2か月以内のパート、アルバイトは労働者に含まれません

試用期間中の社員

試用期間中の社員も労働者には含まれません
また、雇用から2か月以内の社員も労働者に含まれません

日雇い労働者

日雇い労働者は労働者に含まれません。
労働基準法107条では、「日々雇入れられる者を除く。」という旨の記載があるためです。
日雇い労働者は要件に当てはまるはしますが、労働者には含まれませんので、間違いないようにしましょう。

派遣労働者

派遣労働者は労働者には含まれません。
派遣労働者の使用者は派遣元の会社であるためです。
賃金は派遣先の企業が支払っていますが、派遣労働者の労働者名簿は、あくまで派遣元が作成するということになります。

出向社員

出向社員は出向元が労働者名簿を作成しなければなりません。
ですので、自社に他社から出向社員が来ている場合は、他社が出向社員の労働者名簿を作成する必要があります。
反対に自社が他社に出向社員を送り出している場合は、自社が出向社員の労働者名簿を作成しなければなりません。

労働者がいない場合はどうする?

役員のみで構成されており、従業員がいないという会社もあるかと思います。
従業員がいない場合はものづくり補助金の対象にならないのでは?と疑問に思われる方もいらっしゃいます。
しかしながら、ものづくり補助金の要件に最低従業員という定義はないため、従業員がいない場合でも補助の対象となります。

まとめ

今回はものづくり補助金の必要書類の一つである労働者名簿について解説させていただきました。
ポイントは下記の通りです。

  • 労働者名簿は応募申請時の従業員数が21名以上で、従業員数の確認資料における期末の従業員数が20名以下の場合のみで必要
  • パート、アルバイトは従業員に含まれる
  • 役員、日雇い労働者、派遣社員は従業員に含まれない

労働者名簿は不備が多い書類ですが、基本的なルールさえわかっていればそこまで難しいことはありません。
ぜひ本記事を参考にして、労働者名簿を作成してみて下さい。

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