ものづくり補助金はホテルや旅館といった宿泊業も補助の対象となることはご存知でしょうか。
ものづくり補助金という名前からか、製造業でなければ利用できないと考えている方もいらっしゃいますが、実はそうではありません。
宿泊業でもものづくり補助金を利用することができます。
そこで今回はものづくり補助金によるホテルや旅館の事例とポイントを解説していきます。
ホテルや旅館はものづくり補助金の補助対象!
ホテルや旅館といった宿泊業はものづくり補助金の補助対象となります。
しかしながら、ものづくり補助金は製造業をベースとした補助金であるため、製造業と比較すると採択率が落ちる傾向にあります。
そのため、ホテルや旅館の事業者がものづくり補助金を利用するには事業計画書を質の高いものにしていくことと、採択されやすい事業テーマを選定することが重要になってきます。
ものづくり補助金の通常枠の簡単な概要は下記の通り。
ものづくり補助金概要(2025年 第19次予定)
基本要件 | ||
以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画書の策定及び実行
※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①、②、④のみとする。 ※3~5年の事業計画に基づき事業を実施し、毎年、事業化状況報告を事務局へ提出する必要があります(事業成果確認のため)。 |
支援内容 | |
---|---|
補助対象 | ①<製品・サービス高付加価値化枠>革新的な新製品・新サービスの開発による高付価値化 ②<グローバル枠> 海外事業の実施による国内の生産性向上 |
対象業種 | – 製造業 – 建設業 – 情報通信業 – サービス業 など広範囲 |
補助上限額 | 最大 4,000万円 ※大幅賃上げ特例あり。詳細は次の章にて。 |
補助率 | 中小企業:1/2、小規模事業者:2/3、再生事業者(①枠のみ):2/3 ※最低賃金引上げ特例あり。詳細は次の章にて。 |
その他 | 収益納付はもとめない |
補助対象経費 | <共通>機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 <グローバル枠のみ>海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費 |
公募回数 | 年4回程度(予定) |
(中小企業庁 令和6年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の概要)
宿泊業の場合、具体的にどのような事業計画が対象となるのか確認していきましょう。
ホテルや旅館による採択事例
ホテルや旅館による代表的なものづくり補助金採択事例は下記の通り。
- DX、ITの活用
- 体験型事業
- 業務プロセス改善による生産性向上
具体的に解説していきます。
DX、ITの活用
最も採択されやすい事業テーマがDXやITを活用した生産性の向上に関する事業です。
ものづくり補助金に関わらず、近年の補助金では中小企業のDXやIT活用をテーマにしていることが多い傾向にあります。
中小企業はアナログな作業が多く、非効率な業務プロセスとなっているケースが少なくありません。
非効率な業務といった課題を解決させる手段としてのDXやIT活用はものづくり補助金でも優遇される傾向にあります。
DX、ITの活用による主な採択事例は下記の通り。
- 登録有形文化財の老舗旅館をITを活用し高付加価値・効率化する
- ITの力で温泉施設を多目的利用できる地域の居場所に変革する
- ポストコロナ下における個人旅行に対応したシステム化と自動化によるサービス向上
- IT化による福井県内初のブルーカラー特化型スマートホテル実現
- 河口湖温泉組合初となるデジタル活用スマートホテル化による革新事業
ホテルや旅館においては様々なDXやITの活用が想定できます。
令和2年に経済産業省が公開した「スマートリゾートハンドブック」ではホテルやリゾートのデジタル関連事業の様々な事例が公開されています。
こういった事業例を参考に自社に適した事業を検証してみることをおすすめします。
体験型事業
体験型事業+ホテル、旅館といった体験に重きを置いた事業の採択事例もありました。
代表的な採択事例は下記の通り。
- 点のホテルから面を活かす体験エンターテイメントショー型温泉道
- 対人接触を低減したワーケーション対応型旅館への転換事業
- 老舗旅館が挑む!温泉設備導入によるCS&ES向上プロジェクト
温泉やショーを導入し、付加価値を高めていくといった事例です。
ただし、採択事例自体は少ない傾向にありました。
より質の高い事業計画や独自性の高い事業にしていく必要はあります。
業務プロセス改善による生産性向上
業務プロセスの改善による生産性を向上させる事業での採択事例もありました。
代表的な事例は下記の通り。
- 急速冷凍機の導入による料理部門の生産性向上と収益性改善
- デリバリーロボットを活用したホテル運営業務のサービス品質向上
ロボットを活用した事例は事業再構築補助金でも数多く採択されており、採択率が高い傾向にありました。
先端的なデジタル技術であるため、ものづくり補助金でも優遇される可能性が高いと言えるでしょう。
ホテルや旅館の補助金は事業再構築補助金の方が適している
ホテルや旅館はものづくり補助金よりも事業再構築補助金の方が適しています。
補助金額や補助範囲がホテルや旅館よりも高い上に、宿泊業に関しては事業再構築補助金の方が圧倒的に採択率が高い傾向にあるためです。
事業再構築補助金は来年度以降も継続されることが確定しています。
ホテルや旅館といった宿泊業の方は事業再構築補助金を利用できないか検討してみることをおすすめします。
https://mono-support.com/saikouchiku/hotelsaikouchiku/
https://mono-support.com/saikouchiku/ryokansaikouchiku/
まとめ
今回はEC構築のものづくり補助金での採択事例とポイントについて解説してきました。
ポイントは下記の通り。
- ものづくり補助金はホテルや旅館も補助対象
- しかしながら、製造業よりも採択率が落ちる傾向にある
- DX、ITの活用が最も採択されやすい
- 「体験型事業」「業務プロセス改善による生産性向上」での採択事例も
- 事業再構築補助金の方がホテルや旅館には適している
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