ものづくり補助金

【2025年度最新版・第20次ものづくり補助金】公募開始!第19次からの変更点や申請のポイントをわかりやすく解説

【2025年度最新版・第20次ものづくり補助金】公募開始!第19次からの変更点や申請のポイントをわかりやすく解説

2025年4月25日、第20次ものづくり補助金の公募がスタートしました応募締切は7月25日(金)17:00)

【ものづくり補助金 第20次応募期間】

公募開始2025年 4月25日(金)

電子申請受付開始:2025年 7月1日(火)17:00~

申請締切:2025年 7月25日(金)17:00締切

公募要領より

従来の枠組みは維持しつつも、今回の公募では「補助対象の明確化」や「他補助金との併用ルールの変更(※同時申請の容認)」など、申請判断に影響する変更点が複数あります。

本記事では、第19次との違いを踏まえ、専門家視点での注意点・採択されるためのポイントまで踏み込んで解説します。申請準備中の方はぜひご活用ください。

この記事の要約

第20次ものづくり補助金の公募が開始! 制度変更点やスケジュール、申請のポイントをわかりやすく解説します。

「単なる工程改善は対象外」など、審査基準がより明確に。 採択を目指すには、革新性や加点要素の理解がカギです。

申請準備の流れから採択後のフォローまで、専門家による支援が効果的。 成功に向けた実践的なポイントもご紹介します。

 

監修: 駒田 裕次郎(こまだ ゆうじろう)
駒田会計事務所 【コマサポ】代表

【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金支援を中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)
【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

目次

第20次ものづくり補助金の公募がスタート!

2025年4月25日より、第20次ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)の公募が始まりました。中小企業の設備投資や新製品・サービス開発を支援する本制度は、コロナ禍以降も継続的に採択が行われており、事業再構築補助金などと並ぶ代表的な中小企業支援制度です。

今回の公募では、補助上限や補助率などの基本枠は維持されつつも、補助対象の定義明確化他制度との併願ルールの改定など、申請判断に直結する見直しがなされています。これらのポイントは後述で詳しく解説します。

まずは、ものづくり補助金の概要について、要点をご説明します。

制度についてもうご存じの方は、次々章『第20次でものづくり補助金はどう変わった?【制度変更】第19次との主な違い・4つの重要ポイント』にお進みください。

【初心者向け】ものづくり補助金の基本と申請の流れ

はじめて補助金にチャレンジする方に向けて、ものづくり補助金の基本と申請のステップをわかりやすくまとめます。

🔸第20次の基本情報(概要)

基本要件
以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画書の策定及び実行

↑ものづくり補助金公式HPより抜粋 
 ※付加価値額=営業利益・人件費・減価償却費の合計
 ※給与支給総額=役員および全従業員に支払った給与等(給料・賃金・諸手当・賞与・役員報酬は含み、福利厚生費・法定福利費・退職金は除く)
 ※事業所内最低賃金=補助事業の実施場所(設備を設置する工場等)で働く従業員の中の最低賃金(時給)
※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①、②、④のみとする。

↑ものづくり補助金公式HPより抜粋 
※3~5年の事業計画に基づき事業を実施し、毎年、事業化状況報告を事務局へ提出する必要があります(事業成果確認のため)。

※基本要件等が未達の場合、補助金返還義務があります。

支援内容
補助対象①<製品・サービス高付加価値化枠>革新的な新製品・新サービスの開発による高付価値化
②<グローバル枠> 海外事業の実施による国内の生産性向上
対象業種– 製造業
– 建設業
– 情報通信業
– サービス業 など広範囲
補助上限額最大 4,000万円 ※1大幅賃上げ特例あり。
補助率中小企業:1/2、小規模事業者:2/3、再生事業者(①枠のみ):2/3       ※2最低賃金引上げ特例あり。
その他収益納付はもとめない
補助対象経費<共通>機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
<グローバル枠のみ>海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費
公募回数年4回程度(予定)

ものづくり補助金公式HP「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の概要

※1【大幅賃上げ特例】

①給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上増加②事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+50円以上の水準を満たしている場合、補助上限額が100~1,000万円上乗せされます。ただし、最低賃金引上げ特例事業者、各申請枠の上限額に達していない場合は除外です。また①、②のいずれか一方でも未達の場合、補助金返還義務があります。

■基本要件との違い
要件基本要件大幅な賃上げに取り組む事業者
① 付加価値額年平均成長率3%以上同左
② 給与支給総額年平均成長率2.0%以上増加年平均成長率6%以上増加
③ 最低賃金地域別最低賃金+30円以上の水準とする事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上の水準とする
④ 補助金返還の要件・事業計画終了時点において上記②が未達の場合、補助金の一部を返還
・事業計画期間中の毎年3月末時点において上記③が未達の場合、補助金の一部を返還
②③のいずれか一方でも達成できなかった場合、各補助対象事業枠の補助上限額との差額(補助上限額引上げ額)に加え、補助金交付額から補助上限引上げ額を差し引いた額に未達成率を乗じた額の返還を求めます。

大幅な賃上げを目指す事業者は、給与支給総額を年率平均2.0%増加に加え、追加で4.0%の増加、合わせて6%以上の増加をする必要があります。

事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上の水準を満たすことが必要です。

※2【最低賃金引上げ特例】

中小企業向けの補助率は基本的に1/2ですが、指定された期間内に、3ヵ月以上”地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員”が全従業員数の30%以上の場合最低賃金引き上げ特例により補助率が2/3に引き上げられます。しかし、基本要件のうちいずれかの要件を達成できない場合、補助金の返還義務があります。また、小規模事業者や再生事業者の補助率は2/3です。

補助対象となる事業・経費とは?

ものづくり補助金は、生産性向上・新製品開発・新サービス展開に関わる次のような投資・取り組みが対象です。

↑ものづくり補助金公式HP「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の概要より抜粋 

【主な補助対象経費】

※必須経費、グローバル枠限定経費などをご確認ください。また、項目により上限額も異なりますので注意が必要です(以下の表の【 】は、補助対象経費総額・税抜に対する上限額)。

項目内容
必須経費– 機械装置費
– システム構築費
※必ず1つ以上、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が必要。総額で500 万円(税抜き。グローバル枠の場合は、1,000 万円)までを補助上限額
補助対象経費– 技術導入費 【3分の1】
– 専門家経費 【2分の1】
– 運搬費
– クラウドサービス利用費
– 原材料費
– 外注費 【2分の1】
– 知的財産権等関連経費 【3分の1】
グローバル枠限定経費– 海外旅費 【5分の1】
– 通訳・翻訳費 【5分の1】
– 広告宣伝費

生産性向上のための設備投資やシステム構築が補助の中心ですが、グローバル枠では海外市場展開に関連する費用もカバーされます。

✅ 補助対象の具体例

  • 革新的な製品の開発に必要な工作機械・測定機の導入
  • DX推進に伴うソフトウェア導入と業務プロセスの見直し
  • 新規事業としての製品開発+クラウドサービス連携

❌ 対象外となる例

  • 既存製品の単なるブラッシュアップ(機械更新のみ)
  • 過去の補助金事業と重複する内容
  • 事業計画の内容が曖昧または実現可能性が低い場合

 

 申請から補助金受取までの流れ

ものづくり補助金は、ものづくり補助金は、採択されればすぐにお金が入る制度ではありません。事前準備・交付申請・実施・報告・精算・事後フォローという流れがあるため、スケジュール全体を正しく理解しておくことが非常に重要です。2025年度のものづくり補助金(第20次公募)については以下の様な流れになっています。

項目時期
公募開始公募開始  :2025年4月25日(金)
電子申請受付:2025年7月1日(火)17:00~
申請締切  :2025年7月25日(金)17:00【厳守】
採択結果発表:2025年10月下旬頃予定
交付決定・事業開始交付決定・事業開始:2025年12月頃~(想定)
実績報告・補助金交付事業完了期限:2026年10月頃(想定)
補助金交付 :2026年11月頃(想定)
  1. 事前準備(GビズIDの取得)
    補助金申請には、GビズIDプライムアカウントが必須です。
    取得には1~2週間かかることがあるため、公募前に取得しておくのが鉄則です。
  2.  公募開始(公募要領公開) 
    公募要領が公開され、補助枠の内容・補助対象・加点要素・必要書類などが確定します。
    内容を熟読して、自社が対象となるかを確認しましょう。
  3. 申請受付(jGrantsで電子申請)
    締切までに事業計画書や各種添付書類をそろえ、jGrantsから電子申請を行います。
    申請の直前はアクセス集中で不具合が出やすいため、早めの申請が推奨されます。
  4. 審査(書面審査+必要に応じて口頭審査)
    提出書類に基づき、書面審査が実施されます。
    場合によっては、追加ヒアリングや口頭確認が行われることもあります。
  5. 補助金交付候補者の決定(採択通知)
    審査を通過すると、「補助金交付候補者」として選定され、採択結果が発表されます。
  6. 交付申請・交付決定
    交付候補者に選ばれたら、具体的な支出計画を記載した「交付申請書」を提出します。
    その後、正式に「交付決定通知」が発行され、ここから事業実施が可能になります。
  7. 補助事業実施(事業実施→中間検査→実績報告)
    交付決定後、事業を開始します。
    導入機器や契約内容によっては**中間検査(現地確認など)**が行われることもあります。
    完了後は「実績報告書」を作成・提出します。
  8. 確定検査(補助金交付額の決定)
    提出された実績報告をもとに、補助対象経費が精査され、最終的な補助金額(確定額)が決定されます。
  9. 請求書提出 → 補助金の支払い
    補助金確定通知を受けたら、請求書を提出し、補助金が入金されます(精算払方式)。
  10. 事業化状況報告・知的財産権報告(毎年4月)
    事業完了後も、3〜5年にわたり「事業化状況報告」や「知的財産権報告」を毎年4月に提出する必要があります。
    ※成果が未達の場合、補助金返還の対象となる可能性もあるため注意が必要です。

補助金の「申請=ゴール」ではありません。
成果まで責任を持って遂行できるかを見られている制度です。

第20次でものづくり補助金はどう変わった?【制度変更】第19次との主な違い・4つの重要ポイント

第20次ものづくり補助金では、制度の基本枠は維持されているものの、実務に影響する重要な変更点が明文化・追加されています。
特に次の4点は、申請可否や事業計画の立て方に直結するため、必ず押さえておきましょう。

第19次応募時での変更点については、以下の記事もご参考ください。

「ものづくり補助金」2025年(19次公募)の公募が始まりました!2025年2月14日(金)よりついに第19次のものづくり補助金の公募が開始されました。 第19次の公募期間は以下の通りです。 ...

①単なるプロセス改善は補助対象外に明記

第20次からは、公募要領に次の一文が追加されました。

「既存の製品・サービスの生産等のプロセスについて改善・向上を図る事業は補助対象外」(公募要領P3)

これは従来「暗黙のルール」だった部分が、初めて明文化されたものです。

❌NG例

  • 既存製品の製造ラインの更新だけ
  • 業務効率化を目的とした社内ソフトの刷新のみ

✅OK例

  • 顧客課題を解決する新製品の開発
  • 地域資源や外部環境に対応した新サービスの構築

補助対象となるには、「革新性」が明確であることが求められます。

②他の補助金と“同時申請”が可能に(交付は一つを選択)

第20次からは、同一経費を含む複数の補助金に並行して申請することが可能になりました。

同一の補助対象経費を含む事業について、複数の補助金に同時に申請いただくことは可能ですが、複数の補助金に採択された場合は、交付を受ける補助金を1つだけ選択して、交付申請を行ってください。選択せずに、複数の補助金で交付決定を受け、補助金を受領していたことが発覚した場合は、交付決定日が遅い方の補助事業の交付決定を取り消し、補助金の返還を求めます(公募要領P6)。


たとえば、再構築補助金とものづくり補助金の両方に申請し、どちらかを選ぶといった運用が可能です。ただし、交付を受けられるのは1制度のみ。採択後にどちらかを選択し、残りは辞退する必要があります。

申請書類に齟齬がないよう、各補助金に応じた調整が必要です。複数制度を比較して、審査基準・補助率・タイミングを見極めましょう。

 ③ 補助対象外となる事業者が追加

第20次では、次の補助金の採択歴・交付状況がある事業者についても、原則、申請不可とされることになりました。

(補助対象外となる事業者)
本補助金の申請締切日を起点にして16ヶ月以内に以下の補助金の補助金交付候補者として採択された事業者(採択を辞退した事業者を除く)、又は申請締切日時点において以下の補助金の交付決定を受けて補助事業実施中の事業者。
中小企業新事業進出促進補助金
・中小企業等事業再構築促進補助金
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助
(公募要領P12)

補助対象外となる補助金交付履歴(過去16ヶ月以内の採択者)

  • 中小企業等事業再構築促進補助金
  • 中小企業新事業進出促進補助金
  • 他回のものづくり補助金

※補助金を辞退した場合は対象外となります。

この変更は、重複支援の抑制と公平性の確保を目的としていると考えられます。

④ 「政策面での加点」評価に新しい観点が追加

審査項目5「政策面」において、以下の新たな加点対象・評価要素が明記されました。

(第19次の公募要領)
ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品·サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。

(20次公募要領)
以下に選定されている企業や承認を受けた計画がある企業は審査で考慮します。
▶地域未来牽引企業業
▶地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画

(中略)
地域の持続的発展に寄与することが期待できるか。
※アトツギ甲子園地方大会出場以上の企業は審査で考慮します。

(中略)
米国の追加関税措置により大きな影響を受ける事業者であること。

主な加点項目

  • 地域未来牽引企業、地域未来投資促進法の認定事業者
  • アトツギ甲子園の上位入賞者(事業承継者)
  • 今回新設:米国の追加関税措置の影響を受ける事業者

また、「地域経済への波及効果」や「人材育成・後継者育成」、「地域の課題解決」といった要素が、これまで以上に重視される傾向にあります。さらに、直近の国際情勢を踏まえ、米国による追加関税措置の影響を受ける事業者が新たな加点対象として明記された点も、注目すべき変更点といえるでしょう。

【💬 ワンポイントまとめ】制度の変更点を把握して戦略的に申請を

これらの変更は、単なる制度の調整ではなく、国が補助金で目指す方向性(地域貢献・国際対応・真のイノベーション)を反映したものです。

申請書には、これらの要素を意図的に・具体的に織り込むことが、採択への近道となるでしょう。

【加点対策】審査で有利になる評価ポイントを押さえる

ものづくり補助金では、審査基準に加えて「加点項目」に該当するかどうかが採択可否を大きく左右します。特に通常枠やグローバル枠では競争が激しく、加点の有無が通過ラインを分ける要因になることも少なくありません。

ここでは、第20次公募で公式に明記された加点項目一覧と、加点を最大限に活用するための実務ポイントを紹介します。

第20次公募で明記された加点項目一覧

第20次公募要領によると、以下のような事業者・事業に対して審査で考慮もしくは、加点評価が与えられると記載されています。

考慮される項目内容
地域未来牽引企業経済産業省等により地域成長の中核と位置づけられた企業
https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiiki_kenin_kigyou/index.html
地域未来投資促進法の認定計画地域経済牽引事業計画として認定された事業
https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/miraitoushi/jigyou.html
アトツギ甲子園 上位入賞者後継者による革新事業を応援する国主催の表彰制度
https://atotsugi-koshien.go.jp/
米国の追加関税措置の影響を受ける事業者関税措置により影響を受けた旨が証明できる企業
※今回新設
加点項目内容
経営革新計画申請締切日時点で有効な「経営革新計画」の承認を取得している事業者
2パートナーシップ構築宣言パートナーシップ構築宣言ポータルサイト」にて公表済(申請締切日前日時点)
3再生事業者公募要領別紙4に定められる再生事業者
4DX認定申請締切日時点で有効な「DX認定」を取得している事業者
5健康経営優良法人認定健康経営優良法人2025」の認定を受けている事業者
6技術情報管理認証申請締切日時点で有効な「技術情報管理認証」を取得している事業者
7J-Startup/地域版J-Startup」または「J-Startup地域版」に選定された事業者
8新規輸出1万者支援プログラム
※グローバル枠に申請する場合のみ
新規輸出1万者支援プログラムポータルサイト」に登録済み事業者
9事業継続力強化計画
連携事業継続力強化計画
申請締切日時点で有効な(連携)事業継続力強化計画の認定取得者
10賃上げ従業員・役員の給与支給総額を4.0%以上増加等、要件を満たす表明を実施
11被用者保険の任意適用従業員50名以下の企業で短時間労働者を被用者保険に加入させる場合
12えるぼし認定女性活躍推進のための認定(厚労省)を取得している事業者
13くるみん認定子育て支援に積極的な企業として厚労省認定を受けている事業者
14事業承継・M&A過去3年以内に有機的一体として経営資源を引き継いだ事業者(株式譲渡等)

💡なぜ加点が重要なのか?

ものづくり補助金の採択審査では、点数制による順位評価が基本となっています。
申請者の多くが「革新性」「市場性」で一定点数を取る中、加点の有無が順位を左右するケースが多いのです。

実際に過去の回では、加点1つ分の差で採択・不採択が分かれた例も多数あり、特に製品・サービス高付加価値化枠は競争が激しく、加点がない申請は不利になる傾向があります。

専門家の視点から見た加点戦略~活用のポイントと注意点

✅ 1. 該当しうる加点項目をすべて洗い出す

→ 「加点項目を満たすかどうか」で悩む方は、まず“該当しそうな項目”を一通り洗い出してみましょう。
中でも「パートナーシップ構築宣言」「賃上げ」「事業継続力強化計画」などは、比較的取り組みやすく実効性のある加点です。地域認定、事業承継、国際影響、環境対応など、幅広い視点で該当性を検討しましょう。

賃上げ加点を取得した場合、後に要件未達成となると他補助金で減点の対象になる可能性があります(※正当な理由がある場合を除く)。

→また、複数の加点を取得することで、審査順位が有利になる可能性が高まります。

✅ 2. 計画書に「加点項目との関連性」を明確に記載

→ 加点を申請する場合は、計画書内で明確に触れ、該当する証明書や宣言状況を明確に示す資料の添付が必要です。

✅ 3. 加点がない場合は「政策との整合性」でカバー

→ 加点項目がない場合でも、「地域課題」「脱炭素」「人材育成」など政策的意義を強調し事業計画書に強く反映させることで補完的な評価を狙うことも可能です。

✅ 4.今回特に注目の要素「国際リスク対応」

今回初めて、「米国の追加関税措置による影響を受ける事業者」が考慮される対象として明記されました。

これは、国際的な経済変動に柔軟に対応する企業を支援する姿勢の表れといえます。
該当する企業は、輸出入データや業績影響などを根拠として提示することが求められます。

加点要素は“おまけ”ではなく、“採択の分かれ道”です。自社の強みを政策の流れとどう結びつけるかが、申請成功のカギになります。

次章では、過去の採択率の推移と傾向から見る戦略的申請のポイントをお届けします。
どの枠で通りやすいか?加点がどのように影響しているか?といった視点で解説します。

【採択率の傾向と成功パターン】過去データから見る戦略的申請

ものづくり補助金は、中小企業支援の中でも非常に人気の高い制度です。
しかし、「申請すれば通る」補助金ではなく、採択率はおおむね30~50%前後で推移しており、競争型の審査であることを忘れてはなりません。

ここでは、直近の採択データをもとに、申請成功のためのヒントを整理します。

過去の採択率の推移(例:第18次~第19次)

回次応募件数採択件数採択率(概算)
第18次約6,000件約2,300件約38%
第19次約5,400件約2,000件約37%

採択されやすい事業の特徴とは?

ものづくり補助金の審査は、「単に設備を導入する事業」ではなく、課題解決力・実現可能性・社会的意義を総合的に評価する点が特徴です。
過去の採択案件を分析すると、審査員に響く申請にはいくつかの共通項があることがわかります。通りやすい申請書に見られる主な特徴をまとめてみましょう。

✅ 1. 「誰のどんな課題をどう解決するか」が明確

  • 顧客ニーズに基づいた新製品・新サービスの提案
  • 自社の技術・強みを活かした“社会課題解決型”の構成

✅ 2. 実現可能性が具体的に示されている

  • 具体的なスケジュール・数値計画・人員体制
  • 投資内容が「補助対象経費」として適切に分類されている

✅ 3. 加点要素や政策整合性が組み込まれている

  • 賃上げ/パートナーシップ構築宣言/地域貢献など
  • 地方創生やカーボンニュートラルとの関連性が明記されている

 

不採択に陥りやすいパターンとは?

一方で、どれだけ補助金のニーズがあっても、申請内容が審査基準を満たしていなければ採択されません
実際に不採択となった申請には、共通する“落とし穴”があります。
特に以下のようなポイントを見落としていると、高い技術力や実績があっても評価が伸び悩む可能性があります。

❌ 1. 「革新性」が曖昧な事業

  • 単なる業務効率化や設備の入れ替えのみ
  • 既存事業の延長で、付加価値向上の説明が弱い

❌ 2. 市場分析・競合比較が不十分

  • 顧客ターゲットの明確化がない
  • 他社との差別化ポイントが不明瞭

❌ 3. 書類不備や要件の誤解

  • 補助対象経費の計上ミス
  • 計画期間やスケジュールが制度とずれている

 

採択率を高めるための戦略とは?

補助金の採択は運やタイミングだけで決まるものではなく、戦略的に計画を立てて準備を進めることで、採択率を着実に高めることが可能です
ここでは、実務に役立つ視点から、具体的にどのような工夫が有効なのかを整理してお伝えします。

💡 複数枠の検討と優先順位づけ

  • 製品・サービス高付加価値化枠だけでなく、グローバル枠も検討
  • 競合が少ない枠では、通過率が相対的に高くなる傾向

💡 専門家による事前チェック・添削

  • 計画書の不備や伝わりにくさを第三者視点で修正することが採択率向上に直結
  • 特に「革新性」や「数値的根拠」の部分は重点確認が必須

【💬 ワンポイントまとめ】
採択される計画書は、読み手に「この会社を応援したい」と思わせる構成になっています。
技術だけでなく、地域貢献・人材育成・政策との一致も含めて、総合力で審査に臨むことが重要です。

【申請準備と専門家の活用】採択に向けて今できること

ものづくり補助金の申請においては、事業の実態と制度要件をどれだけ正確にかみ合わせられるかが鍵となります。
特に初めての申請や、制度改正直後の申請では「正しい準備」と「第三者の視点」が結果を大きく左右します。

ここでは、申請に向けて押さえるべき準備ポイントと、専門家支援を取り入れる意義を解説します。

申請準備で確認すべき6つのポイント

補助金申請では「出すこと」そのものよりも、制度への理解や書類の質が問われます
準備不足によるミスを防ぎ、確実な申請につなげるために、以下の基本ポイントを押さえておきましょう。

✅【事前準備編】

① 公募要領は最初から最後まで読み込む
加点要件・補助対象経費・申請条件などの重要なルールは、公募要領の各所に分散して記載されています。まずは制度全体を正しく理解することが第一歩です。

② スケジュールは逆算で管理する
GビズIDの取得、見積書・図面・確認資料の収集、社内調整など、申請には多くの工数がかかります。申請締切から逆算し、余裕を持った準備を進めましょう。

③ 対象外となる事業者に該当しないか確認する
過去の補助金採択履歴や交付状況によっては、申請ができないケースもあります。公募要領で除外条件を確認し、自社の状況と照らし合わせましょう。

✅【申請計画編】

④ 「誰の課題をどう解決するか」が明確な計画にする
単なる業務改善ではなく、顧客や社会のニーズに応える革新性が伝わる事業内容が求められます。技術・サービスの独自性を意識して構成しましょう。

⑤ 補助金に依存しすぎない計画を立てる
補助金がなくても成り立つだけの収益性や自社資金の見通しを組み込むことで、信頼性のある計画になります。事業の成長戦略として位置づけることが重要です。

⑥ 他制度との同時申請は整合性に注意する
複数制度への同時申請が可能になったとはいえ、審査基準や対象経費は異なります。内容の重複や不整合がないよう、慎重に調整しましょう。

この6点を押さえて準備を進めることで、計画書の質と採択率を確実に高めることができます。特に初めて申請する場合は、専門家に相談をしサポートを得ることも有効です。

専門家を活用する3つのメリット

補助金申請は「書けば通る」ものではなく、評価基準や政策の方向性をふまえた書類作成が求められます
自社内だけで準備する場合、見落としや誤解が起こりやすいため、第三者である専門家の視点が大きな支えになります。

① 要件・制度変更への対応が早い

専門家のサポートを受けることで、最新の公募要領や制度変更への対応がスムーズになり、誤解しやすいポイントにも事前に気づくことができます。

② 「伝わる計画書」への仕上げが可能

読み手(審査員)に刺さる構成・言葉の使い方・図解の挿入など、申請者の強みを最大限に引き出す表現へブラッシュアップが可能。審査員の視点を踏まえたアドバイスが得られるため、構成や表現を工夫しながら、自社の強みをわかりやすく伝える計画書を作成できます。

③ 客観的な視点で“通る/通らない”の見極めができる

「主観では完璧でも、審査基準に合っていない」――そうした主観だけでは見落としがちな改善点を第三者から指摘してもらえるため、採択される可能性の高い申請書へとブラッシュアップすることができます。

まとめ~第20次公募をチャンスに変えるために

第20次ものづくり補助金では、制度の見直しや加点要素の変更など、申請者にとって影響の大きい改定が行われました。
これにより、「従来通りの申請では通らない」ケースも出てくる一方で、時代の変化に即した革新的な事業や、地域・社会への貢献度が高い取り組みには、大きな追い風が吹いているとも言えます。

補助金は、単なる資金援助ではなく、自社の成長を後押しする戦略ツールです。
申請にあたっては、事業の革新性や実現性、政策との整合性をしっかりと計画書に落とし込み、採択後の実行まで見据えた準備が欠かせません。

制度を正しく理解し、自社の強みを最大限に活かした申請を行うことで、第20次公募は確実に「チャンス」に変えることができます。

私たち【コマサポ】は、ものづくり補助金をはじめ、各種補助金・創業融資に特化したサポートを行う会計事務所です。

✅制度改正をふまえた最新要件の整理
✅採択率を高める事業計画書の作成・添削
✅採択後の実績報告や事業化状況報告までのフォロー

など、申請前のご相談から採択後の運用支援まで一気通貫でご対応しています。

 

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※ものづくり補助金 20次公募が始まりました。詳細については、当ブログにて随時ご紹介させていただきます。

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駒田会計事務所【コマサポ】 代表 駒田裕次郎 税理士・公認会計士

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