令和4年度の補助金の大きなテーマとして二酸化炭素の排出を少なくするグリーン対策があります。
2050年のカーボンニュートラルを目指し、環境にやさしい事業を行う企業に対して国が補助するという性質のものです。
グリーン対策を代表する補助金として「事業再構築補助金のグリーン成長枠」、「ものづくり補助金のグリーン枠」が新設されました。
どちらも採択率が優遇されるとみられており、狙い目の枠と言えるでしょう。
そこで今回は事業再構築補助金のグリーン成長枠及びものづくり補助金の概要と違いについて解説していきます。
事業再構築補助金のグリーン成長枠の概要
グリーン成長枠の要件、補助金額、補助率については下記の通り。
項目 | 要件 |
概要 | 研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題の解決に資する取組を行う中小企業等の事業再構築を支援。 |
補助金額 | 中小企業等 100 万円 ~ 1 億円 中堅企業等 100 万円 ~ 1.5 億円 |
補助率 | 中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3 |
補助対象経費 | 建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費 |
【申請要件】 ①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事 業再構築要件】 ②事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000 万円 を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営 革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること 【認定支援機関要件】 ③補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 5.0%以上増加、又は従業 員一人当たり付加価値額の年率平均 5.0%以上増加する見込みの事業計画を策 定すること【付加価値額要件】 ④グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取 14組であって、その取組に関連する 2 年以上の研究開発・技術開発又は従業員の 一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと【グリーン成長要件】<以下は既に過去の公募回で採択(※)又は交付決定を受けている場合> ※採択された事業を辞退した場合を除く。第 6 回公募においてグリーン成長枠 を含む二つの事業類型に申請することはできません。 ⑤既に事業再構築補助金で取り組んでいる又は取り組む予定の補助事業とは異 なる事業内容であること【別事業要件】 ⑥既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制 や資金力があること【能力評価要件】 |
詳しくは下記の記事に記載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
https://mono-support.com/saikouchiku/green-5/
最大の特徴は補助金額の高さにあります。
中小企業で補助金額が最大1億円、中堅企業で補助金額が最大1.5億円となっており、非常に大きな金額が支援されます。
また、過去に事業再構築補助金に採択された事業者でも再申請が可能であり、要件も厳しくありません。
また、他の事業再構築補助金の申請枠では売上高減少要件が課せられており、コロナ前より売上高が減少している必要がありました。
しかしながら、グリーン成長枠には売上高減少要件が課せられていません。
グリーン枠での事業を検討している方は必ず申請することを検討してみてください。
ものづくり補助金のグリーン枠の概要
ものづくり補助金のグリーン枠の概要は下記の通り。
項目 | 要件 |
概要 | 温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性 向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な 設備・システム投資等を支援 |
補助金額 | 5人以下・・1,000万円以内 6人~20人・・1,500万円以内 21人以上・・2,000万円以内 |
補助率 | 2/3以内 |
補助対象経費 | 機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、研修費 |
【申請要件】 次の①又は②に該当する事業であること。 ①温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発 ②炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善 |
3~5年の事業計画期間内に、事業場単位または会社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること。 |
これまで自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取組の有無(有る場合はその具体的な取組内容)を示すこと。 |
このように事業再構築補助金と同じように、ものづくり補助金でもグリーン関係の事業に取り組む場合は他の申請型よりも補助金額・補助率ともに優遇されています。
どちらに申請しようか迷われている方もいらっしゃいますよね。
そこで、次の章で事業再構築補助金とものづくり補助金のグリーン枠の違いについて解説していきます。
それぞれの補助金の違いを理解した上で、どちらに申し込みするか判断してみてください。
事業再構築補助金グリーン成長枠とものづくり補助金グリーン枠の違い
事業再構築補助金のグリーン成長枠とものづくり補助金のグリーン枠の大きな違いは下記の3つです。
- 事業再構築補助金の方が補助金額が高い
- ものづくり補助金の方が補助率は高い
- 事業再構築補助金の方が補助経費の範囲が広い
具体的に解説していきます。
事業再構築補助金の方が補助金額が高い
事業再構築補助金のグリーン成長枠の方がものづくり補助金のグリーン枠よりも補助上限が高いです。
事業再構築補助金のグリーン成長枠は中小企業1億円なのに対して、ものづくり補助金のグリーン枠は補助上限が2,000万円です。
ものづくり補助金の方が補助率は高い
ものづくり補助金のグリーン枠の方が補助率は高いです。
ものづくり補助金のグリーン枠の補助率は2/3なのに対して、事業再構築補助金のグリーン枠は1/2です。
事業再構築補助金の方が補助経費の範囲が広い
事業再構築補助金グリーン成長枠の方が補助経費の範囲が広いという特徴があります。
事業再構築補助金グリーン成長枠はものづくり補助金の補助経費に加えて、建物費と広告宣伝費までが補助経費として認められています。
(※建物費は原則改修費、新築は新築でなければならない状況を除き補助対象外。新築でなければならない状況の具体例は下記の記事より)
https://mono-support.com/saikouchiku/sintiku/
以上のことから補助率を除き、基本的には事業再構築補助金グリーン成長枠の方が有利な補助金となります。
どちらとも要件に当てはまる場合、事業再構築補助金の方に申し込みすることをおすすめします。
まとめ
今回は事業再構築補助金グリーン成長枠とものづくり補助金のグリーン枠の概要と違いについて解説してきました。
事業再構築補助金グリーン成長枠の方が補助上限金額が高く、補助範囲も広いので、基本的には事業再構築補助金グリーン成長枠で申請することをおすすめします。
事業再構築補助金のグリーン成長枠またはものづくり補助金のグリーン枠の申請を考えているという方はまず一度ご相談ください。
全国各地からオンラインにて、相談を承っています。
事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
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