10次締切分の公募から新たに追加されたものづくり補助金のデジタル枠。
政府が進めているdx化の一つで、使いやすさが魅力的な枠です。
今回はものづくり補助金のデジタル枠の概要や事例、ポイントを解説していきます。
ものづくり補助金のデジタル枠の概要
ものづくり補助金のデジタル枠の概要は下記の通り。
項 目 | 要 件 |
補助対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
概要 | DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービス開発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援 |
補助金額 | 100万円~1,250万円 |
補助率 | 2/3 |
設備投資 | 単価50万円(税抜き)以上の設備投資が必要 |
補助対象経費 | 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 |
特徴について解説していきます。
補助率は2/3と通常枠よりも高い
ものづくり補助金のデジタル枠の補助率は2/3となっています。
ものづくり補助金の通常枠の補助率は原則1/2(小規模企業者や小規模事業者などは3分の2)です。
そのため、デジタル枠の方が補助率が高く有利な内容となっています。
通常枠よりも要件が多い
ものづくり補助金デジタル枠は基本要件に加えて、下記の要件に当てはまる必要があります。
(1)次の①又は②に該当する事業であること。
①DXに資する革新的な製品・サービスの開発
(例:AI・IoT、センサー、デジタル技術等を活用した遠隔操作や自動制御、プロセスの可視化等の機能を有する製品・サービスの開発(部品、ソフトウェア開発を含む等)②デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善
(例:AIやロボットシステムの導入によるプロセス改善、受発注業務のIT化、複数の店舗や施設にサービスを提供するオペレーションセンターの構築等)(2)経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。
・DX推進指標サイト:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx.html
・自己診断結果入力サイト:https://www.ipa.go.jp/ikc/info/dxpi.html(3)独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の
「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を応募申請時点で行っていること。・「SECURITY ACTION」公式サイト(制度概要):
https://www.ipa.go.jp/security/security-action/index.html
・「SECURITY ACTION自己宣言」申込みサイト:https://security-shien.ipa.go.jp/security/
通常枠よりもプロセスが多くなるので、必ず確認しておいてください。
不採択でも通常枠で再審査される
もしデジタル枠で採択されなかった場合、通常枠でもう一度審査されます。
一度の申請で二度の審査がされるということです。
そのため、「この事業内容はデジタル枠でいいのか分からない」「デジタル枠と通常枠どちらかで申請しようか迷っている」という方は迷わずデジタル枠で申し込みするようにしましょう。
ものづくり補助金のデジタル枠の事例
ものづくり補助金のデジタル枠の事例は下記の通り。
(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 令和3年度補正予算の概要 中小企業庁)
補助対象として、下記の3つが挙げられています。
・AIを活用したシステム構築に要する費用
・新製品開発のための機械装置に要する費用
・需要予測システムに係るクラウドサービス利用費
このようにシステム構築や機械装置に関する費用はデジタル枠での補助の対象となります。
デジタル枠での採択事例
ものづくり補助金ではどの枠組みで採択されたかは公表されません。
しかしながら、事業内容から推察することができます。
第10次の公募では下記の事業がデジタル枠で採用されたと推測されます。
- 乳牛のBCS管理、採食量管理、疫病管理のITシステム化。スマート農業の
実現に向けて - 舶用機器の損耗予測システム及び営業支援ツールの開発
- EC注文取込・手配システム、物流システム導入によるDXの推進
- 管理システムとITデータ化で珈琲焙煎の品質向上
- 太陽光の発電量予測をAIで高精度にするためのIoTシステム導入
- クラウド型生産管理システム導入による中小製造業のDX推進勝ち残り術
- 適正価格を把握する受発注システムの導入
- ビル管理DX化及び新たな価値創造を目指す、AIを用いた新機能実装
- 精密板金加工業のDX化による飛躍的な生産性向上推進事業
(令和元年度補正・令和3年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 第10次締切 採択案件一覧)
他にも多数のデジタル関連の採択事例があり、採択率は高かったのではないかと考えられます。
主なキーワードとしては「クラウド」、「DX」、「AI」、「EC」、「Iot」、「ロボット」が挙げられます。
これらのキーワードを活用する事業はものづくり補助金のデジタル枠で採用される可能性が高いでしょう。
まとめ
今回はものづくり補助金のデジタル枠について解説してきました。
ポイントは下記の通り。
- ものづくり補助金のデジタル枠はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上を支援
- 補助率は2/3と通常枠よりも高い
- 「クラウド」、「DX」、「AI」、「EC」、「Iot」、「ロボット」などのキーワードが採択事例として多い
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