動物病院も対象!ものづくり補助金で最新設備導入&業務効率化を実現
- 動物病院も補助金対象:最新医療機器やDX化にものづくり補助金を活用可能
- 業務効率&診療精度向上:高度な医療設備導入でサービス向上
- 申請成功の鍵:革新性・生産性向上・地域貢献を明確に記載
近年、ペット市場の拡大に伴い、動物病院の需要も大きく伸びています。ペットを家族の一員として考える飼い主が増え、高度な医療技術や最新設備を備えた動物病院の必要性が高まっています。その結果、診療の精度向上や業務効率化のために、新しい医療機器やデジタルシステムの導入を検討する動物病院が増えています。
しかし、これらの設備投資には高額なコストがかかるため、導入をためらう経営者も少なくありません。そこで活用したいのが「ものづくり補助金」です。ものづくり補助金を活用すれば、設備投資や診療技術の向上を支援してもらうことが可能です。
本記事では、動物病院がものづくり補助金を活用する方法や、具体的な導入事例、申請のポイントについて詳しく解説します。

監修:駒田 裕次郎
駒田会計事務所【コマサポ】代表
【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)
【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。
目次
弊社ではものづくり補助金の申請サポートを行っており、スムーズな補助金獲得を支援します。これからものづくり補助金を利用した設備投資をご検討の方は、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。
拡大するペット市場と進化する動物病院
ペット市場の現状
近年、ペット市場は急速に成長しています。矢野経済研究所の調査によると、2022年度の国内ペット関連市場規模は約1.8兆円に達し、今後も堅調な成長が見込まれています。この成長の背景には、少子高齢化や核家族化の進行があり、ペットを家族の一員として大切にする意識が高まっています。
ペットの高齢化と医療の高度化
特に、ペットの高齢化が進むことで、動物医療の高度化が求められています。犬や猫の平均寿命は年々延びており、一般診療だけでなく、腫瘍治療や整形外科手術、歯科治療などの専門的な医療サービスの需要が拡大しています。このため、動物病院の役割も従来の治療中心から、予防医療やリハビリ、さらには健康管理まで多岐にわたるようになっています。
動物病院の設備投資
こうした市場の変化を受けて、動物病院の設備投資も活発化しています。最新の画像診断装置(CT・MRI)や電子カルテシステムの導入が進み、診療の効率化や精度向上が図られています。しかし、高額な設備投資が必要となるため、補助金や助成金を活用してコストを抑えることが重要です。
次からの章では、ものづくり補助金とは何か、動物病院でどのように活用できるのかを詳しく解説します。これにより、動物病院がどのようにして最新の医療技術を取り入れ、より良いサービスを提供できるかを探ります。
ものづくり補助金とは?
中小企業・小規模事業者の設備投資を支援し、生産性向上と競争力強化を促進する補助金です。新製品・サービスの開発や生産プロセス改善など、革新的な取り組みを応援します。
ものづくり補助金概要(2025年 第19次)
2025年度第19次ものづくり補助金の簡単な概要は下記の通りです。
項目 | 要件 |
概要 | ①<製品・サービス高付加価値化枠>革新的な新製品・新サービスの開発による高付価値化 ②<グローバル枠> 海外事業の実施による国内の生産性向上 |
補助金額 | ■製品・サービス高付加価値化枠 5人以下750万円(850万円) 6~20人1,000万円(1,250万円) 21~50人1,500万円(2,500万円) 51人以上2,500万円(3,500万円) |
■グローバル枠 3,000万円(3,100万円~4,000万円) | |
※大幅賃上げ特例(補助上限額を100~1,000万円上乗せ。上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。最低賃金引上げ特例事業者、各申請枠の上限額に達していない場合は除く。下記①、②のいずれか一方でも未達の場合、補助金返還義務あり。) ①給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上増加 ②事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+50円以上の水準 | |
補助率 | 中小企業:1/2、小規模事業者:2/3、再生事業者(①枠のみ):2/3 ※最低賃金引上げ特例あり。 |
その他 | 収益納付は求めない |
補助対象経費 | 【共通】機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 【グローバル枠のみ】海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費 |
基本要件 | ①付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上増加 ② 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上 又は給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加 ③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準 ④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ) ※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①、②、④のみとする。※3~5年の事業計画に基づき事業を実施、毎年、事業化状況報告を提出すること(事業成果確認のため) ※基本要件等が未達の場合、補助金返還義務がある |
公募開始 | 公募開始 :2025年2月14日(金) 電子申請受付:2025年4月11日(金)17:00~ 申請締切 :2025年4月25日(金)17:00 採択結果発表:2025年7月下旬頃予定 |
交付決定事業開始 | 交付決定・事業開始:2025年9月頃~(想定) |
実績報告補助金交付 | 事業完了期限:2026年7月頃(想定) 補助金交付 :2026年8月頃(想定) |
中小企業庁 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(第19次公募)
概要版は19次公募の変更点など、詳細についてはこちらの記事で詳しくご説明しています。

動物病院が活用できる設備・システム例
動物病院がものづくり補助金を活用して導入できる設備やシステムの例を紹介します。
最新医療機器の導入
近年、動物医療においても高度な診断・治療が求められています。以下のような最新医療機器の導入により、診療の精度向上が期待できます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)システムの導入
業務の効率化や診療サービス向上のために、デジタル技術の活用も進んでいます。
動物病院がものづくり補助金を活用することで、最新の医療機器やDXシステムを導入し、診療の質と業務効率を大幅に向上させることが可能となります。
ものづくり補助金を活用した動物病院の成功事例
では、具体的に、ものづくり補助金を活用して成長を遂げた動物病院の事例を紹介します。
1. 麻酔を使わない高速CT撮影による診察
- 動物への負担が大きい麻酔を使わず、短時間で精密な診断が可能な高速CTを導入。
- 最新の画像診断技術を活用し、より正確な診察と迅速な治療方針の決定を実現。
2. 脳神経系疾患の高度医療体制を整備
- 獣医学領域における脳神経疾患の専門治療を可能にする医療機器を導入し、より高度な治療を提供。
3. 整形外科に特化した動物病院チェーンの展開
- 動物の骨折や関節疾患の治療に特化した設備を導入し、リハビリ施設も併設することで、回復支援を強化。
4. 低侵襲手術を可能にする内視鏡システム導入
- 内視鏡技術を活用し、「腫瘍の減容積」に取り組む新たな外科術式を導入。
- 開腹手術よりも負担が少ない治療方法を提供し、ペットの負担軽減を実現。
5. 口腔疾患治療と口腔内ガン手術を両立する診療体制
- 口腔内疾患に特化した診療機器を導入し、歯科治療の精度を向上。
- 口腔ガンの早期発見と手術治療を一貫対応を実現。
6. 大学病院レベルの整形外科・眼科診療提供の実現
- 整形外科および眼科領域の最新医療機器を導入し、高度な診療を提供。
- 大学病院レベルの治療を可能にし、地域の動物医療の充実を図る。
7. 腫瘍診療の専門性を高めた動物病院の設立
- 竹原市初の腫瘍専門治療を提供し、癌検査から手術までの一貫診療体制を確立。
- 獣医腫瘍学の最新技術を取り入れ、治療成功率の向上を目指す。
8. 高知県最大級の動物総合病院の設立
- MRIやCTスキャンなどの最新医療機器を導入し、高度診療を実施。
- 救急対応も可能な動物病院として、地域の医療環境を強化。
9. 福岡県随一の腫瘍専門動物病院として成長
- 腫瘍専門の獣医師を配置し、高度な癌治療が可能な環境を整備。
- 免疫療法などの最先端医療を取り入れ、ペットの生存率向上を目指す。
動物病院がものづくり補助金で採択されるための3つの重要ポイント
では、ものづくり補助金の採択を受けるためには、どのような点に留意すればよいでしょうか。ものづくり補助金の申請を成功させるためには、以下の3つのポイントを明確にすることが重要です。
1. 革新性と技術向上の明確化:他院との差別化を打ち出す
高度な医療機器の導入や新しい治療技術の導入
単に新しい機器を導入するだけでなく、それがどのように動物医療の質を高めるのか、具体的な効果を示す必要があります。
例:最新のCTスキャンによる診断精度の向上、AIを活用した画像診断システムの導入など。
既存の動物病院にはない革新的なアプローチ
地域にない専門性の高い医療サービス(例:高度な腫瘍治療、専門的なリハビリテーション)や、独自のサービス(例:訪問専門医療、24時間救急対応)などを提示し、差別化を図ります。
例:専門性の高い獣医を招へいし、地域で対応できない疾患に対応する。
2. 生産性向上と業務効率化の証明:具体的な数値で効果を示す
設備投資による診療の精度向上や効率化
導入する設備が、どのように診療時間を短縮し、業務効率を改善するのか、具体的な数値を用いて説明します。
例:高速画像診断装置の導入による診断時間の〇%短縮、電子カルテ導入による業務時間の〇%削減など。
従業員の負担軽減と労働環境の改善
最新機器の導入によって、従業員の負担がどう軽減されるか、労働環境がどう改善されるかを具体的に示します。
例:自動洗浄装置の導入による従業員の作業負担軽減。
3. 地域貢献と市場のニーズへの適応:地域医療への貢献をアピール
地域における高度医療の提供
地域医療の課題を把握し、その解決に貢献するビジネスモデルを提示します。
例:地域で不足している専門医療を提供する、高齢の飼い主向けの送迎サービスを提供するなど。
市場のニーズへの適応
ペットの高齢化や飼い主のニーズの変化に対応したサービスを提案します。
例:ペットの健康寿命を延ばすための予防医療、ペットの終末期ケアなど。
ものづくり補助金、申請までの流れ
それでは、これまでの内容を踏まえ、実際にものづくり補助金を申請する際の具体的なステップについてご説明します。
申請の流れと注意点
- 公募要領を確認:最新の募集要項をチェックし、申請条件を確認。
- 事業計画書の作成:補助金の活用目的や設備導入の効果を具体的に記載。
- 申請書類の提出:必要書類をそろえてオンラインで申請。
- 審査・採択結果の通知:審査を経て採択が決定。
- 設備導入・補助金の受給:採択後、設備導入を進め、補助金を受給。
これらのポイントを踏まえ、動物病院の強みや地域性を活かした計画を立てることで、ものづくり補助金の採択可能性を大幅に高めることができます。
まとめ
動物病院がものづくり補助金を活用することで、高額な設備投資の負担を軽減しながら、最新の医療機器やDXシステムを導入できます。これにより、診療の精度向上や業務の効率化が実現し、ペットオーナーへのサービス向上にもつながります。
補助金を申請する際は、革新性や生産性向上のポイントを明確にし、地域のニーズに貢献する事業計画をしっかりと作成することが重要です。適切な準備を行い、ものづくり補助金を最大限に活用しましょう。
当事務所では、ものづくり補助金の申請サポートを行っています。動物病院の設備投資や事業拡大を補助金で実現するために、事業計画の作成から申請手続きまでをトータルでサポートいたします。補助金の活用をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※ものづくり補助金 19次公募が始まりました。
弊社、ものづくり補助金の申請代行サポート【コマサポ】では全国各地から、19次公募にむけたものづくり補助金のオンラインでの初回無料で打ち合わせが可能となっています。
ものづくり補助金をはじめとして中小企業省力化投資補助金のサポートに関しましても行っており、多数の採択実績があります。また、交付申請や事業化状況報告等補助金申請後のご相談やサポートも承っております。お困りごとがございましたらお気軽にご連絡下さい。
駒田会計事務所【コマサポ】 代表 駒田裕次郎 税理士・公認会計士
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