2025年に注目を集める「新事業進出補助金」

この「新事業進出補助金」は、中小企業が新たな市場や高付加価値分野へ進出する挑戦を支援し、事業の拡大や生産性向上を通じて賃上げを目指すことを目的としています。既存の事業とは異なる分野への積極的な取り組みが求められます。

現時点では詳細は未発表ですが、予算は1,500億円と、「ものづくり補助金」を上回る規模が確保されています。新規事業を検討している企業にとって、見逃せない補助金の一つといえるでしょう。

本記事では、この補助金の概要について簡単にご紹介します。

新事業進出補助金の概要

中小企業庁HP

事業目的

人手不足や賃上げといった昨今の経済社会の変化の中で、中小企業等が成長する過程においては、既存事業の拡大に加え、新たな事業の柱となる新事業への挑戦が重要である。

既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とする。

事業概要

企業の成長・拡大を通した生産性向上や賃上げを促すために、中小企業等が行う、既存事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援。

補助対象者

企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等

基本要件

中小企業等が、企業の成長・拡大に向けた新規事業(※)への挑戦を行い、(※事業者にとって新製品(又は新サ ー ビス)を新規額客に提供する新たな挑戦であること)

①付加価値額の年平均成長率が+ 4.0 %以上増加

② 1 人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の直近 5 年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率+ 2.5 %以上増加

③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+ 30 円以上の水準

④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等の基本要件を全て満たす 3 ~ 5 年の事業計画に取り組むこと。

補助上限額

※補助下限750万円

※大幅賃上げ特例適用事業者(事業終了時点で①事業場内最低賃金+ 50 円、②給与支給総額+6 %を達成)の場合、補助上限額を上乗せ。
(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。)

補助率

1/2

補助予定件数

約６，０００件（ただし、１件当たりの補助申請額によっては、予定件数は増減する場合がある。）

補助事業期間

交付決定日から 14 か月以内(ただし採択発表日から 1 6 か月以内)

補助対象経費

建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサ ー ビス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費

その他

・収益納付は求めません。

・基本要件②、③が未達の場合、未達成率に応じて補助金返還を求めます。ただし、付加価値が増加してないかっ企業全体として営業利益が赤字の場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還を免除します。

新事業進出補助金の予算予想

新事業進出補助金の予算は資料には1,500億円とされています。
令和6年度の中小企業生産性革命推進事業（ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、事業承継・M&A補助金）の総額の予算は約3,400億円であり、ものづくり補助金は平成25年から令和元年ごろまで予算が約1,000億円であったことから、新事業進出補助金はものづくり補助金と同等・やや上の補助金なのではないかと予想されます。

新事業進出補助金の第一回公募のスケジュールについて

2024年12月27日現在、新事業進出補助金の第一回公募の具体的なスケジュールは発表されていません。

ただし、令和7年4月から公募（公募要領の公開）が開始される予定であり、採択件数は約6,000件と見込まれています（補助申請額によって件数は変動する可能性があります）。また、公募は全4回にわたって実施される予定です。

これまでの事業再構築補助金やものづくり補助金のスケジュールをもとに、以下に予想を立てましたので、ぜひ参考にしてください。

【第一回公募の予想スケジュール】

まとめ

今回は新事業進出補助金の概要をご紹介してきました。

詳細は下記のページから